太古の昔から、
人間は焚火をしていた。
火を見つめながら、人間は何を思っていたのだろう。
そのときのわたしは、
感情だけが浮いていた。
そして、それは火の粉と一緒に暗闇の中にひとつひとつ、溶けていく。
泣いていたような気がする。
悲しいからではなくて、あったかくもあった。
温度と灯りと音。
いい訳やことばは何にも存在しない。
ただ、許されている気がした。
「火を見ている」。
ただの人間に戻った自分と、静かな時間だけがその間に流れていた。
「瞬間映画」
毎日の暮らしの中で、切り抜いた瞬間を
ことばと映像と音楽で味付けします。
日常の中に隠れている、非現実。
現実のなかに、こころが感じられる瞬間。
彩りを忘れずに生きていきたいのです。