まっすぐ前を見つめたままのわたしに、
そのベース音は、突然届いた。
飾りのない、
まるで覚えたてのような音符たちが、
その風景になじむ。
アイスクリームが溶けた。
いつかどこかの昔に置いてきたレコードのような。
わたしにだけ聴こえた、
忘れかけていた響き。
左耳が、あつい。
「瞬間映画」
毎日の暮らしの中で、切り抜いた瞬間を
ことばと映像と音楽で味付けします。
日常の中に隠れている、非現実。
現実のなかに、こころが感じられる瞬間。
彩りを忘れずに生きていきたいのです。