ワシントン・ナショナル・ギャラリー展 in京都市美術館
京都で遊ぼうARTにrレポートが掲載されました。
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京都市美術館のワシントン・ナショナル・ギャラリー展に行ってきました。
まことに、開展期間ぎりぎり滑り込みセーフであります。
展示場は、印象派登場まで・印象派・ポスト印象派、ポスト印象派以降と、時系列に四時代に分けられており、時代の変遷と共に移り変わっていく画家とその作品を楽しむことができた。
心に残った三点の絵について、すこし。
印象派以前の写実主義が主流だった頃、エドルアール・マネは一風面白い作品を作っていた。一枚の絵に一つの主題を明瞭に示して描くことが主流であった時代に、主題は「鉄道」だが、絵画には鉄道自体の姿ははっきり見られない。鉄道と公道を隔てる柵にもたれかかった女の子二人が大きく描かれているのだ。鉄道をテーマとしておき、女の子の表情や姿から背景の物語を連想させるものだった。
二つ目は、印象派と言えば有名なクロード・モネの「日傘の女性とモネ夫人と息子」。晴れた日の草原を背景にした2人が、爽やかな色使いで描かれている。草原を駆け抜ける風の音と空気の匂いがこちらにまで漂ってくるような作品だった。
最後に今回のメインである、フィンセント・ファン・ゴッホの「自画像」。彼は、死ぬまでに36点の自画像を残しているが、その中でも死ぬ前年に描かれていたのが、この有名な自画像である。神経病に悩まされていた彼は、37歳という若さで自殺したという。どんな気持ちでこの自画像と向き合っていたのか、考えると計り知れないものがあった。
この展示会で最も興味深かったのは、印象派やポスト印象派の画家たちの油彩画作品のみならず、紙を支持体としたリトグラフや版画などの作品も多数展示してあったことだ。油彩とは違った彼らの作品を見て、その表現方法の幅広さに感銘を受けた。マネはこんな絵、ルノワールはこういう感じ、というように画家ごとの作品には、一定の癖のようなものがあるが、画家としてはその作風しか描けないのではなく、様々な描き方を追求した上で自分の作風を作り上げているんだなと思った。
19世紀後半パリで起こった大きな前衛芸術運動である印象運動。有名な画家とその代表作品を一挙に見ることができて、とても贅沢な展示会でした。
さらに、絵画や芸術への興味が沸いてきました。また行くぞ。
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