「て」てにをは
ひとつひとつ。
組み立てていこう。
いつか昔、居たかった場所には、ずっといたくない。
でも、痛かったところばかり、やっぱりいたい。
ひとつひとつ、自分に問いかけて。
答えがでるまで。
もうすこし。
ひとつふたつ、みっつ。
使うべきことばを、教えて。
使うべきことばは、なんだった?
「つ」連れてって
「連れてって。」
久しぶりにカフェにお出かけした気がするなぁ。
あったかいお天気の休日。
自転車に乗った、カメラ片手の迷子たちが、ふらーりふらーり。
美味しいコーヒーが入ってた、かわいいいちごのコーヒーカップ。
すぐ隣りの雑貨屋さんに売ってた。
思わず買っちゃいそうになったよ。
今日の記念に。
“連れてってくれた記念日”
「ち」ちあき
ちあき。
わたしのなまえ。
生まれたときからそう呼ばれてる。
だからなのか、とっても気に入っている。
あやうく「ふさえ」になるところだったらしいと言う話は、今は置いておいて。
小さい頃は
小説家とかアナウンサーとか歌手になりたいとかなんやかんやと言っていた。
あらあらと時がたち、子供服が学生服になり、学生服がスーツになって、
今やスーツを脱いでいる。
汗をかきながら泣き笑いしながらふわふわと漂って、大事なことを知っていった。
迷子にもなった。
立ち止まったりもした。
そんなわたしは今、
小説家でも歌手でもない。
多分一生ならないのかもしれない。
人にわかりやすい肩書きなんか、もういらないのかもしれない。
これからもずっと「ちあき」は私のなまえ。
今私がなりたいものは、
ちあきそのもの、であります。
今日も、いちにち、いい日でしたか?
「た」佇む
夜の街角に佇んで、おもう。
色んな人が歩いている。
顔も性別も趣味も、着ている服装も
それぞれみんなちがう。
おんなじように
物事の捉え方だって
考え方だって違って当たり前なんだろう。
今、全く同じ気持ちでこの場所にいる人はいない。
時計を見る。
約束の時間、10分遅れてる。
もうすぐ走ってこの場所にやってくる人がいる。
すこしでも自分と同じ気持ちだといいな。
なんてね。
夜の街角に佇んで、おもう。
「そ」空耳
石畳を歩くと、言葉が降ってきた夏の日。
懐かしい気持ちが訪れる。
これは昔自分が体験した気持ちなのか。
想像してるだけなのか。
ふいに呼ばれた気がして、空を仰ぐ。
どこにもいない。
空耳。
どうしようもなくなって振り返ると、
屈託のない笑顔がそこにあった。
太陽の光に反射してキラキラ光っている、
まるで開けたてのソーダ水の泡みたいに。
そのとき、
空耳は消えた。
わたしは確かにそこにいた。